- 管理会社か貸主に、亡くなったことを知らせる
- 賃貸借契約書を探し、解約の申し入れの方法と時期を確かめる
- 相続人で、だれが窓口になるか、相続放棄を考えている人がいないかを決める
- 解約と明け渡しの日を決め、その日から逆算して片付けを組む
契約は相続人に引き継がれる
国土交通省と法務省は、借りている人が亡くなると、借りる権利(賃借権)と、部屋の家財の所有権は相続人に引き継がれる、と説明しています。亡くなっても賃貸借契約は自動では終わらないので、解約するか、相続人が住み続けるかを決めることになります。
相続人が何人もいるときは、管理会社や貸主とのやりとりの窓口を1人に決めておくと、話が行き違いません。
解約と家賃
- 家賃は解約するまでかかる: 契約が続いているあいだは、相続人が家賃を払うことになります。部屋を使わないなら、早めに解約の日を決めます。
- 解約の申し入れの時期は契約書で: 何日前・何か月前までに申し入れるか、申し入れの方法(書面か)は、契約書に書いてあります。
- 敷金: 明け渡しのあと、未払いの家賃や、借りている人が負担する修繕費を差し引いて返されます。返されたお金も相続財産です。
原状回復の考え方
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成23年8月に再改訂)は、経年変化と、ふつうに使って生じた傷み(通常損耗)を直す費用は家賃に含まれ、借りている人の負担ではない。原状回復は、借りたときの状態に戻すことではない、としています。
ガイドラインは契約を結ぶときの参考で、結んだ契約は契約の内容に沿うのが原則です。退去の立会いで修繕費を求められたら、契約書とガイドラインを並べて確かめてください。
残置物の処理を任せる契約があるとき
国土交通省と法務省は、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を示しています。単身の高齢者(60歳以上)が部屋を借りるときに、亡くなったあとの賃貸借契約の解除と、残された家財(残置物)の処理を、あらかじめ受任者に任せておく契約のひな形です。
- 受任者は、まず推定相続人のだれかが望ましく、それが難しいときは居住支援法人などの第三者。貸主を受任者にするのは避けるべきとされている。
- 受任者は、亡くなってから一定の期間がたち、契約が終わったあとに、廃棄しないと指定された物以外を廃棄する。お金に換えられる物は、換えるよう努める。
亡くなった人がこの形の契約を結んでいたときは、片付けの前に、管理会社や貸主に受任者がだれかを確かめてください。受任者がいる部屋を、相続人が勝手に片付けると行き違いになります。
連帯保証人がいるとき
部屋の契約に連帯保証人がいるときは、未払いの家賃や、借りている人が負担する修繕費を、貸主が連帯保証人に求めることがあります。連帯保証人が相続人と別の人なら、解約の日程や片付けの進み具合を、連帯保証人にも知らせておくと安心です。
相続放棄を考えているとき
相続を放棄するかもしれない人が、部屋の物をまとめて処分したり、相続人として契約を解約したりすると、相続を認めたとみなされるおそれがあります(民法第921条)。放棄の申し出の期限は、相続が始まったことを知った時から3か月以内です。
貸主から早く空けるよう求められても、先に家庭裁判所や専門家に相談してください(相続放棄を考えているときの遺品整理)。
明け渡しまでの段取り
- 大事な物を探す通帳・印鑑・鍵・書類を先に探します。部屋の鍵は、明け渡しのときに全部返します(捨ててはいけない物)。
- 区の粗大ごみを早めに申し込む大田区は2週間以上先の日程になることがある(引っ越しのごみのページでは、申し込みから約2週間が目安)。明け渡しの日に間に合うよう、家具を出すと決めた時点で申し込みます。
- 集合住宅の出し方を確かめる大田区では、集合住宅の粗大ごみは各部屋の玄関先には出せません。出す場所は管理会社にも確かめます。
- 電気・ガス・水道・インターネットの解約片付けの最後の日まで使えるよう、解約の日を明け渡しの日に合わせます。
- 退去の立会いと鍵の返却部屋の状態を貸主と一緒に確かめ、鍵を返して明け渡します。
袋のごみが一度に多く出るときは、区の清掃事務所に申し込む有料の収集もあります(東京23区で遺品を出すとき)。
よくある質問
管理会社から、すぐに部屋を空けてほしいと言われました。
解約の申し入れの時期と、明け渡しの日を契約書で確かめてから、無理のない日程を相談してください。相続放棄を考えている人がいるときは、片付けを始める前に家庭裁判所や専門家に相談してください。
公営住宅(区営・都営)の部屋のときは?
公営住宅は、住み続けられる人の決まりや、返すときの手続きが民間の賃貸と違います。住宅の管理の窓口に、亡くなったことを知らせて手続きを確かめてください。
家賃の引き落としの口座が止まってしまいました。
亡くなったことを銀行に伝えると、口座のお金が動かせなくなることがあります。家賃の払い方を管理会社と相談し、払ったら領収書を残してください(費用は誰が払うか)。
あわせて読む
出典
- 「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を策定しました(2021年6月7日)(国土交通省)
- 残置物の処理等に関するモデル契約条項(国土交通省)
- 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について(国土交通省)
- 民法(第885条・第896条〜第898条・第907条・第915条・第921条・第940条・第1004条・第1005条)(e-Gov法令検索)
- 粗大ごみの出し方(大田区)
確認日: 2026年10月20日