- 相続人全員が納得しているか: 遺品は相続人みんなの物です。
- 相続放棄を考えている人はいないか: 遺品を売ると、相続を認めたとみなされることがあります。
- 家に来てもらう買取か、店に持ち込むか: 家に来てもらう買取(訪問購入)には、8日間のクーリング・オフがあります。店での買取にはありません。
売る前に
- 相続人の合意: 遺産の分け方が決まるまで、遺産は相続人の共有です(民法第898条)。売る物と、売ったお金の分け方を、先に相続人で決めます。
- 相続放棄との関係: 相続する財産を処分すると、相続を単純に認めたとみなされることがあります(民法第921条)。放棄を考えている人は、売る前に家庭裁判所や専門家に確かめてください(相続放棄を考えているとき)。
- 形見分けの希望を先に聞く: 売ってしまってから「欲しかった」と言われても戻せません(形見分けの進め方)。
- 値打ちの目安を知る: 1つの業者の言い値で決めず、いくつかの店で査定を受けると、相続人どうしで話しやすくなります。
業者が家に来る買取(訪問購入)の決まり
業者が家に来て物を買い取る取引は、特定商取引法の「訪問購入」です。消費者庁は、次の決まりを示しています。
- クーリング・オフ: 法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内なら、書面か電磁的記録で契約を解除できる(クーリング・オフ)。業者がうそを言ったり脅したりして解除できなかったときは、期間を過ぎてもできる。
- 物の引き渡しを拒める: クーリング・オフの期間中は、物の引き渡しを拒める。業者は、期間中に物を受け取るときは、拒めることを告げなければならない。
- 頼んでいない勧誘の禁止: 勧誘を頼んでいない人の家に来て勧誘したり、勧誘してよいかを聞いたりすることは禁じられている(いわゆる飛び込み)。査定だけを頼まれたのに、査定を超えて勧誘することも違反に当たる。
- 決まりの対象から外れる物: 自動車(二輪を除く)・家庭用の電気機械器具(持ち運びが容易な物を除く)・家具・書籍・有価証券・レコードやCD・DVDなどなどは、訪問購入の決まりの対象外です。
国民生活センターは、訪問購入をきっかけにした深刻なトラブルについて、突然来た業者を家に入れない、電話で勧められても安易に訪問を受け入れない、受け入れるならひとりで対応しない、と呼びかけています。
店に持ち込んで売るとき
店に持ち込んで売る場合は、クーリング・オフがない。査定と買取の契約は別で、査定を受けても、その場で売る義務はない。国民生活センターは、店での貴金属やアクセサリーの買取の相談が増えているとして、注意を呼びかけています(2026年9月の公表)。値段に納得できなければ、売らずに持ち帰って構いません。
買取の業者の許可を確かめる
中古品を買い取る業者には、古物商の許可が要ります。国民生活センターも、遺品を買い取る業者の古物商許可証や行商従業者証を確かめるよう勧めています。
古物商は、氏名または名称・許可をした公安委員会の名称・許可証の番号を、インターネットで見られるようにしなければならない(2024年4月1日から。従業者が5人以下で自分のウェブサイトを持たない古物商などは例外)。ホームページで買取を受け付けている業者なら、ページで許可の番号を確かめられます。
売ったお金の扱い
- 遺品を売ったお金は、遺産の分け方の話し合いで分けます。だれがいつ何をいくらで売ったかを記録しておきます。
- 遺品整理の費用に充てるときも、相続人で合意してから。払ったお金の記録と一緒に残します(費用は誰が払うか)。
- 遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるときは、売った物も遺産の額に入ります。迷うときは税務署か税理士に確かめてください。
このサイト(遺品整理.tokyo)では、いまは買い取りの申し込みを受け付けていません。片付けの見積もりは遺品整理の依頼と料金で受け付けています。
よくある質問
買取の業者が、家具は買い取れないと言いました。
家具は訪問購入の決まりの対象から外れる品目ですが、買い取るかどうかは業者が決めます。売れない家具は、区の粗大ごみに出すか、使ってくれる人に譲る方法があります(東京23区で遺品を出すとき)。
査定だけ頼んだのに、ほかの物も売るよう強く勧められました。
査定だけを頼んだ人に、査定を超えて勧誘することは、訪問購入の決まりで違反に当たります。断ってよく、困ったときは消費者ホットライン(188)に相談してください。
売ったあとで、相続人のひとりが反対しています。
訪問購入なら、書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。期間を過ぎていたら、相続人どうしで売ったお金の分け方を話し合ってください。
あわせて読む
出典
- 訪問購入(消費者庁 特定商取引法ガイド)
- きっかけは訪問購入?犯罪まがいの深刻なトラブルにご注意を!(2024年9月18日)(国民生活センター)
- 店舗でのアクセサリーまたは貴金属等の買取に関する消費者トラブルにご注意!(2026年9月2日)(国民生活センター)
- 見守り新鮮情報 第525号 遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に(2025年10月30日)(国民生活センター)
- 古物営業法(e-Gov法令検索)
- 古物営業法の一部改正について(令和6年4月1日施行)(警視庁)
- 民法(第885条・第896条〜第898条・第907条・第915条・第921条・第940条・第1004条・第1005条)(e-Gov法令検索)
確認日: 2026年10月20日