- 遺言書: 封のある物は開けない。家庭裁判所で開ける手続き(検認)をします。
- お金と財産の書類: 通帳・印鑑・不動産の書類・保険証券・年金の書類。
- 借金の書類: 相続を放棄するかを決める材料になります。
- 鍵とスマホ: 部屋の引き渡しと、ネットの契約を調べるのに要ります。
先に探す物の一覧
| 物 | なぜ残すか | 見つけたら |
|---|---|---|
| 遺言書・「遺言」と書かれた封筒 | 財産の分け方や、祭祀を受け継ぐ人が書いてあるかもしれない | 封のある物は開けずに保管し、家庭裁判所で開ける手続き(検認)へ。法務局に預けてあった遺言書は検認が要らない |
| 通帳・キャッシュカード・印鑑 | 預金の相続の手続きと、お金の出入りを調べる手がかり | 1か所にまとめ、だれが預かるかを相続人で決める |
| 不動産の書類(権利証や登記識別情報・固定資産税の通知) | 家や土地の相続の登記に使う。相続登記は申請が義務になっている | 固定資産税の通知で、持っていた不動産が分かることがある |
| 保険証券・共済の書類 | 亡くなったことで受け取れる保険金や給付の請求 | 保険会社・共済からの郵便も一緒に残す |
| 年金の書類(年金証書・振込の通知) | 年金の止める手続きと、受け取っていなかった年金の請求 | 年金事務所や年金の窓口へ問い合わせるときに使う |
| 借金の書類(借用書・ローンやカードの明細・督促の手紙) | 借金があるかどうか。相続を放棄するかを決める材料になる | 捨てずに、ほかの書類と分けて保管する |
| 契約の書類(賃貸・携帯電話・電気ガス水道・カード・有料のサービス) | 解約や名義の変更をする先を知る | 請求書や引き落としの明細が手がかりになる |
| 税金の書類(確定申告の控え・源泉徴収票・医療費の領収書) | 亡くなった年の所得の申告(準確定申告)に使うことがある | 1年分をまとめて残す |
| 鍵(家・車・金庫・郵便受け・ロッカー) | 賃貸なら部屋を引き渡すときに返す。金庫や車を開けるのにも要る | どの鍵か分からない物も、捨てずに袋にまとめる |
| 現金・貴金属・時計・骨董や美術品 | 相続財産。分け方は相続人の話し合いで決める | 見つけた日と場所、金額を記録しておく |
| スマホ・パソコン・タブレット | 連絡先・写真と、ネットの銀行や有料サービスの契約の手がかり | 初期化したり処分したりせず、電源と充電器ごと残す(デジタル遺品) |
| 手帳・住所録・年賀状 | 亡くなったことを知らせる相手を探す | 葬儀のあとのあいさつや、形見分けの連絡にも使う |
| 仏壇・位牌・お墓の書類 | 系譜・祭具・墳墓は、相続財産とは別に、祭祀を受け継ぐ人が引き継ぐ(民法第897条)。日常礼拝している仏壇や仏具には相続税がかからない | 処分するかどうかは、受け継ぐ人と家族で決める |
| 借りている物(介護用品のレンタル・図書館の本など) | 持ち主に返す物で、相続財産ではない | 契約書や伝票で、返す先と方法を確かめる |
| 健康保険証・介護保険証・マイナンバーカード・運転免許証・パスポート | 区役所などの手続きで、出したり番号を書いたりすることがある | 亡くなったあとの手続きが終わるまで残す |
一覧は、亡くなったあとの手続きでよく使う物を並べたものです。どの手続きが要るかは人によって違うので、迷う物は残しておき、手続きが終わってから処分してください。
遺言書が見つかったら
- 封を開けずに、そのまま保管する封のある遺言書は、家庭裁判所で相続人やその代理人の立会いのもとで開ける決まりです(民法第1004条)。家庭裁判所の外で開けたり、提出を怠ったり、検認を受けずに遺言のとおりに手続きを進めたりすると、5万円以下の過料になることがあります(民法第1005条)。
- 遅れずに、家庭裁判所に検認を申し立てる遺言書を持っている人や見つけた相続人は、相続が始まったことを知ったあと、遅れずに家庭裁判所に出して検認を受けます(公正証書の遺言は検認が要りません)。申し立て先は、遺言をした人の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所で、遺言書1通につき収入印紙800円分がかかります。検認は、遺言書の形や中身を確かめて書き換えを防ぐ手続きで、遺言が有効か無効かを決めるものではありません。
- 法務局に預けていなかったかを調べる法務局の遺言書保管制度で預けてあった遺言書は、検認が要りません。預けてあるかどうかは「遺言書保管事実証明書」で調べられます。全国どこの遺言書保管所にも請求でき、郵送でも請求できます(1通800円)。
封のない遺言書や、メモのような紙でも、捨てずに家庭裁判所や専門家に見せてください。遺言として扱われるかどうかを、家族だけで決めないほうが安全です。
家や土地の書類が見つかったら
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務になっています。相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請します(遺産分割で取得したときは、分割の日から3年以内)。正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料になることがあります。 2024年4月1日より前の相続で、まだ登記していない不動産は、2027年3月31日までが期限です。
遺産の分け方がすぐに決まらないときは、相続人であることを法務局に申し出る「相続人申告登記」という簡単な方法もあり、1人でも申し出られます。権利証や固定資産税の通知は、どの不動産を持っていたかを知る手がかりになるので、片付けの前に探して残してください。
探す場所
- 机とタンスの引き出し: 奥や、引き出しの下の段の裏側まで。
- 本棚: 本・アルバム・ファイルの間に、封筒やお札が挟まっていることがあります。
- 衣類: 上着やバッグのポケット、着物をしまった箱の中。
- 仏壇と神棚: 引き出しや、位牌の後ろ。
- 押し入れと天袋: 箱の底、布団の間。
- 台所: 食器棚の奥や、缶・箱の中。
- 届いている郵便: 銀行・証券会社・保険会社・カード会社からの郵便で、取引のあった先が分かります。片付けのあいだに届く郵便も、捨てずに集めます。
見つけた物のまとめ方
- 「大事な物」の箱を1つ決める見つけた書類・通帳・鍵は、その箱に入れていきます。部屋のあちこちに置くと、片付けの途中でまた紛れます。
- 見つけた物を一覧にする物の名前・見つけた場所・日付を書いておくと、相続人どうしで話すときに役立ちます。現金は、数えた人と金額も記録します。
- 相続人に知らせる一覧を相続人で共有してから、だれが預かるかを決めます。黙って持ち帰ると、あとで揉める原因になります。
捨てるか迷う物
写真・手紙・日記・趣味の物は、いちばん判断に時間がかかります。迷う物は「保留」の箱に入れ、いつまでに決めるかを家族で決めておくと、片付けが止まりません。 大きくて残せない物は、写真に撮っておく方法もあります。
相続を放棄するかもしれない人がいるときは、値打ちのある物を分けたり捨てたりする前に、相続放棄を考えているときの遺品整理を先に読んでください。
よくある質問
古い通帳や、使っていないカードも残したほうがいいですか?
残しておくほうが安全です。古い通帳でも、取引のあった銀行や、お金の出入りを調べる手がかりになります。相続の手続きが終わってから、まとめて処分してください。
もう捨ててしまった物があるときは?
ごみの収集に出したあとは取り戻せません。銀行・保険会社・年金の窓口などは、書類が無くても、亡くなった人の情報から取引を調べられることがあります。手続きの窓口に、何が無くなったかを伝えて相談してください。
見つけた現金は、すぐに分けてもいいですか?
見つけた現金も相続財産です。金額を記録し、相続人の話し合いで分け方を決めてください。相続を放棄するかもしれない人がいるときは、使ったり分けたりする前に家庭裁判所や専門家に確かめてください。
あわせて読む
出典
- 民法(第885条・第896条〜第898条・第907条・第915条・第921条・第940条・第1004条・第1005条)(e-Gov法令検索)
- 遺言書の検認(裁判所)
- 自筆証書遺言書保管制度(法務省)
- 相続登記の申請義務化に関するQ&A(法務省)
- No.4108 相続税がかからない財産(国税庁)
確認日: 2026年10月20日