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遺品整理は誰がする?親族で揉めないために

遺品整理は、手を動かす人と、何を残し何を手放すかを決める人が、同じとは限りません。亡くなった人の物は、相続人が何人もいるとき、遺産の分け方が決まるまで、相続人みんなの共有です(民法第898条)。片付けの前に、相続人がだれかと、先に決めることをそろえておくと、行き違いが減ります。

先に押さえること
遺品は誰の物相続人が何人もいるときは、相続人みんなの共有(民法第898条)。分け方は協議で決める(第907条)
相続人は誰配偶者は常に。そのほか、子 → 親・祖父母 → 兄弟姉妹の順(第887条・第889条・第890条)
相続人であることの証明法務局の法定相続情報証明制度。一覧図の写しは無料で交付
先に決めること連絡の窓口、期限、分け方、費用。下で、項目ごとに
話し合いがつかないとき家庭裁判所の遺産分割調停。申立ては、被相続人1人につき収入印紙1,200円分と、連絡用の郵便切手

遺品は相続人みんなの共有

共有になる相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する(第898条第1項)
持分共有の持分は、法定相続分(第900条〜第902条)で算定した相続分による(第898条第2項)。各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する(第899条)
分け方の決め方遺産の分割は、遺産に属する物や権利の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身の状態・生活の状況などの事情を考えて行う(第906条)
話し合い共同相続人は、遺言で禁じられた場合などを除き、いつでも、協議で遺産の全部または一部を分割できる(第907条第1項)

遺品も、ほかの遺産と同じに扱われます(仏壇や位牌は、先祖のまつりを受け継ぐ人が引き継ぐ別の決まりです。仏壇・人形・写真の手放し方)。作業を頼まれた人も、共有の物をどう分けるかは、相続人どうしの協議(第907条)で決まる、という前提で進めます。作業を進める人と、決める相続人が別のときは、決める側に品の一覧と写真を見せてから動きます。

相続人の範囲

民法は、相続人になる人と順位を次のように定めています。

区分誰が相続人になるかことわり
配偶者亡くなった人の配偶者配偶者は、常に相続人になる(第890条)。ほかの相続人がいるときは、その人と同じ順位
第1順位被相続人の子子が相続開始以前に死亡したなどのときは、その子(被相続人の孫)が代わって相続人になる(代襲・第887条)
第2順位被相続人の直系尊属(父母・祖父母など)子(とその代襲者)がいないときに相続人になる。親等の異なる人の間では近い人が先(第889条第1項第1号)
第3順位被相続人の兄弟姉妹子も直系尊属もいないときに相続人になる。兄弟姉妹が亡くなっているときは、その子(甥・姪)が代わる(第889条第1項第2号・第2項)

裁判所の遺産分割調停のページも、相続人を「第二順位(配偶者と父母・祖父母等)」「第三順位(配偶者と兄弟姉妹、その子のおいめい)」と分けて書類を案内しています。

法定相続分(民法第900条)

相続人の組み合わせ配偶者配偶者以外
配偶者と子2分の1子は合わせて2分の1
配偶者と直系尊属3分の2直系尊属は合わせて3分の1
配偶者と兄弟姉妹4分の3兄弟姉妹は合わせて4分の1

同じ順位の人が何人もいるときは、その人たちの相続分は等しい。ただし、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、父母の両方が同じ兄弟姉妹の2分の1(第900条第4号)。

相続を放棄するかもしれない人がいるときは、遺品を動かす前に相続放棄を考えているときの遺品整理を読んでください。

法定相続情報証明制度

何ができるか相続人が、法定相続情報一覧図と戸除籍謄本等の束を登記所に出す。登記官が、一覧図の内容が民法に定められた相続関係と合っているかを確かめて、認証文を付けた写しを無料で交付する
誰が申し出るか申出ができるのは、亡くなった人の相続人(またはその相続人)。委任で、親族のほか、弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士に頼める
どこへ申出先は、亡くなった人の死亡時の本籍地、亡くなった人の最後の住所地、申出人の住所地、亡くなった人名義の不動産の所在地のどれかを管轄する登記所。郵送でもできる
どの手続に使えるか写しは、相続登記、預貯金の払戻し、相続税の申告、年金等の手続などに使える。使えるか分からないときは、提出先に確かめる
保存と再交付一覧図は、申出日の翌年から5年間保存され、その間は再交付を受けられる。再交付を受けられるのは、当初の申出人
家庭裁判所の調停では家庭裁判所の遺産分割調停では、戸籍等に代えて一覧図の写しを出せる場合がある(申立先の裁判所に確かめる)

相続人が遠くに住んでいたり、兄弟が何人もいたりして、各自が戸籍を取り直すのは手間がかかります。一覧図の写しを持っておくと、銀行や役所に、戸除籍謄本等の束を何度も出し直さずに済みます(法務局)。亡くなった人や相続人が日本国籍を持たないなど、戸除籍謄抄本を出せないときは、この制度は使えない。

先に決めること

連絡の窓口

期限

賃貸の部屋は、部屋を返す日が期限になります(賃貸の部屋の遺品整理)。

分け方

残す・分ける・手放す物を3つに分け、分け方は相続人で合意してから動く(形見分け・売るとき)
値打ちのある物分け方の協議に入れる。決まる前は、動かさず写真に残しておく
決め方遺産の分割は、遺産に属する物や権利の種類・性質、各相続人の年齢・職業・心身の状態・生活の状況などの事情を考えて行う(第906条)。共同相続人は、遺言で禁じられた場合などを除き、いつでも、協議で遺産の全部または一部を分割できる(第907条第1項)

費用

誰がいくら出すか見積書・領収書は、相続人みんなが見られるようにしておく。立て替えた人がいるときの精算は、分け方の話し合いと一緒に決める
費用は誰が払うか見積書の扱い・相続人どうしの分担 費用の目安何にいくらかかるか

捨てられた・捨ててしまったとき

先に防ぐ遺品は相続人みんなの共有(第898条)。捨てる前に、物の一覧と写真を相続人全員に見せて、残す・分ける・手放すを決めておく
処分されたあとの扱い遺産の分割の前に遺産に属する財産が処分された場合でも、共同相続人は、その全員の同意で、処分された財産が分割のときに遺産として存在するとみなすことができる。処分した相続人本人の同意は要らない(第906条の2)
共有物の変更各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(形や効用の著しい変更を伴わないものを除く)を加えられない(第251条第1項)
放棄を考える人がいるとき相続財産の全部または一部を処分すると、相続を認めたとみなされることがある(第921条)。相続放棄へ

上の民法の条文が、ある物を捨てたことにどう当てはまるかは、事情によって変わります。損害を求められるか、物を元に戻せるかは、家庭裁判所の窓口や弁護士に確かめてください。

話し合いがつかないとき

遺産の分割について相続人の間で話合いがつかないときは、家庭裁判所の遺産分割の調停または審判を利用できる。調停では、双方の事情を聴き、必要に応じて資料の提出や遺産の鑑定を行い、解決案の提示や助言をして、合意を目指す。調停が不成立になったときは、自動的に審判の手続が始まり、裁判官が一切の事情を考えて審判をする。

項目内容(裁判所のページ)
申し立てる人申立てができるのは、共同相続人・包括受遺者・相続分譲受人。相続人のうちの1人か何人かが、他の相続人全員を相手方として申し立てる
申立先申立先は、相手方のうちの一人の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所
費用被相続人1人につき収入印紙1,200円分。連絡用の郵便切手(額は裁判所ごとに違う。保管金として納付することもできる)
主な書類申立書(相手方の人数分の写しを含む)、事情説明書(遺産分割)、進行に関する照会回答書(遺産分割)、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本、相続人全員の住民票か戸籍附票、遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書・固定資産評価証明書・預貯金通帳の写しなど)
書類の追加申立前に入手できない戸籍等は、申立後に追加で出してもよい。審理に必要なら、追加書類の提出を頼まれることがある

申し立てる前に、家庭裁判所の窓口や法テラスで、自分の場合の進み方を確かめてください。

費用・形見・放棄のページ

よくある質問

遺品は誰の物になりますか?

相続人が何人もいるときは、遺産の分け方が決まるまで、遺産は相続人みんなの共有です(民法第898条第1項)。遺品も、ほかの遺産と同じに扱われます。

相続人になるのは誰ですか?

配偶者は常に相続人になります。そのほか、子、いなければ直系尊属(父母・祖父母など)、それもいなければ兄弟姉妹の順です(民法第887条・第889条・第890条)。

兄弟で話し合いがつかないときは?

各共同相続人は、遺産の分割を家庭裁判所に請求できます(民法第907条第2項)。家庭裁判所の遺産分割調停は、被相続人1人につき収入印紙1,200円分と連絡用の郵便切手で申し立てられます。

相続人の一人が、遺産分割の前に物を処分してしまいました。

民法第906条の2は、遺産分割の前に財産が処分されたときでも、共同相続人全員の同意で、その財産が分割のときに遺産として存在するとみなせると定めています。処分した相続人本人の同意は要りません。具体的な当てはめは、家庭裁判所の窓口や弁護士に確かめてください。

法定相続情報一覧図の写しは、何に使えますか?

法務局は、相続登記、預貯金の払戻し、相続税の申告、年金等の手続などに使えると案内しています。使えるかどうか分からないときは、提出先に確かめてください。

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出典

確認日: 2026年10月31日

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